日本太鼓財団

日本太鼓ジャンボリー2022

NIPPON TAIKO JAMBOREE 2022

ご挨拶・ご祝辞

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公益財団法人 日本太鼓財団
理事長

大澤 和彦

 本日は、日本太鼓ジャンボリー2022(第22回日本太鼓全国フェスティバル)にご来場賜り、誠にありがとうございます。
 当財団は、1997年に全日本太鼓連盟を基に設立、2012年に公益財団法人へ移行しました。
 そして、設立25周年を迎えた本年は新たに開設された滋賀県、和歌山県の2支部を加え、計47支部(43都道府県)となり、加盟団体数は約650団体、会員総数は約17,500人を数えております。また、当財団ではこれまでコンクール事業や演奏会の開催、技能向上を推進するための資格認定事業など、国内での普及活動はもとより、47ヶ国に及ぶ世界の国々で太鼓を通じた国際交流を実施してまいりました。
 これまで「日本太鼓全国フェスティバル」として実施しておりました本事業は、今回よりは「日本太鼓ジャンボリー」と名称を改め、さらにパワーアップした公演をお届け致します。わが国を代表する太鼓チームの力強い響きを最後までごゆっくりお楽しみいただければ幸いでございます。なお、本公演は当財団が策定した「太鼓演奏における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」に基づく感染予防対策を講じながら、実施いたします。ご観覧の皆さまにはご不便をおかけ致しますが、ご理解とご協力をいただければと存じます。
 最後に、当財団の活動に多大なご支援をいただいております日本財団ならびにボートレース関係者の方々、そして本開催にあたりご支援ご協力をいただきました文化庁、東京都をはじめとする関係各位、主管の関八州太鼓連合、日本太鼓財団東京都支部の皆さまに心からお礼を申し上げます。

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東京都知事
小池 百合子

 日本太鼓ジャンボリー2022(第22回日本太鼓全国フェスティバル)の開催を、心からお慶び申し上げます。
 公益財団法人日本太鼓財団の皆様は、これまで日本太鼓の伝統伝承と普及、振興を図り、音楽文化の発展に貢献してこられました。関係者の皆様の多年にわたる御尽力に、心から敬意を表します。
 新型コロナウイルス感染症の猛威は、芸術文化の分野にも大きな影を落とし、都内でも、多くの演奏活動が中止を余儀なくされてきました。しかし、長きにわたるコロナとの闘いの経験を踏まえながら、芸術文化をさらに高めるべく、様々な試みがなされています。日本太鼓財団の皆様は、感染防止対策との両立という大変な御苦労がある中で、創意工夫を続けておられると伺っています。
 東京都は、現在、コロナ禍を一日も早く乗り越えることはもとより、その先に、持続的な回復・成長を遂げていく「サステナブル・リカバリー」を実現しようと政策を進めております。芸術文化は、都市が持続可能であるために、不可欠な要素です。人々の心を支え、豊かにし、輝かせます。これからも、東京から数多くの素晴らしい作品を発信したいと思います。
 本フェスティバルでは、今回も全国から選抜された太鼓団体による演奏が披露されます。太鼓に向かう真摯な思い、チームワーク、全身を使っての演奏、これらが力強く響き合い、会場の皆様の心に大きな感動を呼び起こすことでしょう。
 公益財団法人日本太鼓財団の今後益々の御発展と、フェスティバルの成功を祈念し、祝辞といたします。

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関八州太鼓連合会長
日本太鼓財団
東京都支部支部長

渡辺 洋一

 本日は日本太鼓ジャンボリー2022並びに公益財団法人日本太鼓財団創立25周年の記念の会を此処、伝統芸能の殿堂、国立劇場で開催できますことを関八州太鼓連合・日本太鼓財団東京都支部一同大変喜ばしく、また光栄に存じております。こうして盛大なる記念の会を開催できましたのも、公益財団法人日本太鼓財団関係各所の皆様方、そしてご来場頂きましたお客様方のご支援、ご協力の賜物と心より感謝申し上げます。
 思い返せば二年前のコロナ禍に始まり、先行きの不安な話題ばかりとなっている昨今ではございますが、国民皆が試行錯誤をし、たくさんの新しい生活スタイルが生まれ大和魂の強さを日々実感しております。
 ジャンボリーとは"賑やかな宴会""大集会"等の意味がございますが、本日の演奏はまさにその命題に相応しい日本各地より選りすぐられた11団体の皆さんが賑やかに、魂熱い演奏を披露して下さいます。私達はその想いを受け取って、また明日からの活力にさせて頂きましょう!
 歴史ある日本の風土から生まれた和太鼓を通して、たくましい日本、元気な日本にしてゆこうではありませんか。私達日本人の心の原点としての和太鼓が、素晴らしい未来への扉として尽力できることと確信しております。
 この太鼓の祭典が皆さまの記憶にいつまでも残る素晴らしい演奏会になることを願っております。皆さまの人生の中でのかけがえのない一日となりますよう、心より祈念いたしましてご挨拶とさせて頂きます。
 どうぞ皆さま、楽しい一日をお過ごしください。

出演順

出演団体紹介

1. 東京都合同チーム(とうきょうとごうどうちーむ)

東京都
1. 東京都合同チーム
演奏曲: 襷(たすき)

 日本太鼓財団 東京都支部に所属する7チームによる合同演奏です。
 「襷」は、太鼓集団 天邪鬼代表で東京都支部長の渡辺洋一氏によって、多くの太鼓仲間との合同演奏曲として作曲されました。子どもからベテランまで、年齢や所属団体の枠を越えて、打ち手全員が想いを一つにして絆を未来につないでいくことをテーマとしています。
 曲は江戸伝統の祭太鼓のリズムをベースとしていて、失われつつある「昭和の太鼓」を後世に残したいという思いが込められています。
参加チーム(順不同)
荏原流れ太鼓ひびき会
和太鼓 大元組
和太鼓会 和光太鼓
向島游神太皷
和太鼓水心会
関東やまと太鼓
太鼓集団 天邪鬼

2. 北海道くしろ蝦夷太鼓保存会(ほっかいどうくしろえぞだいこほぞんかい)

北海道
2. 北海道くしろ蝦夷太鼓保存会
演奏曲: サルルンカムイ(湿原の神)

 北海道くしろ蝦夷太鼓保存会は、1967年に結成された北海道最古の創作太鼓集団です。開拓以来の歴史が浅いため郷土芸能がほぼ存在しなかった当時、創設メンバーは地域の活性化にも役立つようにと、アイヌ文化と和太鼓を融合させた釧路の太鼓芸能を新たに創り出しました。当初は練習場所や太鼓の確保に苦労を重ねつつも、仲間を募り指導者を招いて演奏の技術を磨きました。北海道の大自然の中に生きる人々の生産と生活、そして祈りを演奏のテーマとしています。
 オリジナル曲「サルルンカムイ」はアイヌ古来のリズムを基調とし、伝統的な楽器である口琴・ムックリを用いて、釧路湿原を舞う「正義の化身」タンチョウヅルが「悪の化身」である黒鳥から湿原を守るために戦い、追い払う様を表現した幻想鼓舞曲です。

3. 尾張新次郎太鼓保存会(おわりしんじろうたいこほぞんかい)

愛知県
3. 尾張新次郎太鼓保存会
演奏曲: 神楽屋形太鼓
わたよせ崩し
神来舞(しんぐるま)

 尾張新次郎太鼓の名は、太平洋戦争と伊勢湾台風で失われかけた祭り囃子太鼓の復活に生涯を捧げた故・西川新次郎氏から来ています。保存会が伝える神楽太鼓の数々は、江戸時代からはぐくまれたもので、曲は神楽屋形太鼓と曲太鼓とに大別されます。
 「神楽屋形太鼓」は、愛知県西部の大きな祭礼において、村どうしの競争の際に屋形の豪華さとともに競われた太鼓が発祥です。太鼓の皮を破れる寸前まで張り、竹を細く割ったバチで叩くため大変甲高い音が鳴り響き、秋の豊作を象徴しています。
 「わたよせ崩し」「神来舞」などの曲太鼓は、草薙の剣を祀る熱田神宮に伝わる独特の神楽が農村で独自の展開を見せたものです。叩者が膝をつけて打つ打法は神楽太鼓から発生したことを示し、笛の音に合わせ、二本のバチを左手の指先で回転させたり、時に飛ばしたりして打ち分けます。

4. 倉敷天領太鼓(くらしきてんりょうだいこ)

岡山県
4. 倉敷天領太鼓
演奏曲:
叢雲(むらくも)

 倉敷天領太鼓は1972 年に小山寛氏を中心に発足し、現在はプロ和太鼓奏者・山部泰嗣氏を筆頭に、よりシンプルに、よりハードに、を信念として「倉敷から全国へ、そして世界へ」を合言葉に活動する創作太鼓チームです。岡山県内外、海外を併せて、年間50〜60公演を行っています。
 団体の名はその昔、倉敷が江戸幕府直轄の支配地・天領であり、住民たちはこれを誇りとしていたことに由来しています。この誇りを胸に、倉敷に根ざした太鼓団体となり、唯一無二の和太鼓を魅せられるようにと命名されました。
 「咲」「叢雲」はともに山部泰嗣氏の作です。「咲」は、倉敷の春に藤の花が咲き誇り、そして散りゆく姿を、「叢雲」は、月に叢雲、花に風の、白壁の町・倉敷の深々とした夜に、何処からともなく雲が集まり、やがて大きな塊となる様を表しています。

5. 富岳太鼓 竜神組(ふがくだいこ りゅうじんぐみ)

静岡県
5. 富岳太鼓 竜神組
演奏曲: 疾風迅雷

 富岳太鼓は静岡県御殿場市の社会福祉法人 富岳会の太鼓団体です。1977年に山内令子富岳会理事長(当時)が、知的ハンディを抱える施設利用者の方たちのセラピーとして和太鼓に着目したことにより設立されました。全ての曲は富士山にまつわる神話、民話、自然がテーマであり、富岳会理事長、富岳太鼓代表の山内剛氏によるオリジナル創作太鼓です。
 富士山の天候変化は目まぐるしく、穏やかだった空ににわかに暗雲が立ち込め、突然の豪雨は激流となって土砂とともに斜面を一気に降り、木々をなぎ倒します。また駿河湾から吹き上げる風は、山小屋を木の葉のように高く舞いあげるほどの突風となります。「疾風迅雷」は富岳、富士山の動と静とを太鼓の響きと人間の肉体とで表した曲です。
 富岳太鼓 竜神組は和太鼓療育を通じて集まった、何より太鼓が大好きな方たちです。

6. 助六乃会(すけろくのかい)

東京都
6. 助六乃会
演奏曲: 白梅太鼓
まつり太鼓
四段打ち

 「大江戸助六太鼓」「助六太鼓」2チームが「助六乃会」として、日本太鼓財団設立25周年記念の特別コラボ演奏を行います。
 大江戸助六太鼓
 助六太鼓
 

7. 橘太鼓「響座」&響座ジュニア(たちばなたいこひびきざ&ひびきざじゅにあ)

宮崎県
7. 橘太鼓「響座」&響座ジュニア
演奏曲: 一人
日向若衆(ひむかわかしゅう)

奏打(かなた)

 橘太鼓「響座」は、宮崎の自然や歴史・文化・人の心を音に託し、その新しい歴史を築き上げようと、1991年に結成された創作太鼓チームです。
 「日向若衆」は、宮崎県えびの市に古くから伝わる田の神さぁ(神様)の祭りを表したものです。田の神さぁは、冬は山の神となり、春は里におりて田の神となり豊作をもたらすとされていて、農民たちは年に一度「田の神さぁ祭り」で豊作を願い、様々な色の衣装を身に着けて賑やかな祭りを行います。今回はその祭りを宮崎の若者が表現し演奏します。
 響座ジュニアは2005年結成の、18歳以下のメンバーによるジュニアチームです。
 現在は響座の岩切響一氏の指導を受け、2020年度日本太鼓ジュニアコンクールで優勝を果たしました。今回演奏される「蓮」「奏打」は優勝時の曲です。

8. 御諏訪太鼓保存会(おすわだいこほぞんかい)

長野県
8. 御諏訪太鼓保存会
演奏曲: 諏訪雷(すわいかづち)

 御諏訪太鼓は、諏訪大社の神楽の鼓舞楽を伝承する無形文化財であり、長野県諏訪地方を代表する郷土芸能です。その起源は戦国大名・武田信玄の陣太鼓とされ、御諏訪太鼓の名もそこから取られています。
 陣太鼓から神楽太鼓となり、そして太平洋戦争を経て一度は廃れかけましたが、日本太鼓財団設立の中心人物である小口大八氏によって1951年に譜面が復元され、ジャズドラマーでもあった小口氏のアイディアにより、複式複打の組太鼓である新生・御諏訪太鼓が誕生しました。
 現在の創作太鼓の基本形は、この時に生み出されたものです。
 普及期にあったテレビへの出演や各地での演奏などの活動をおこない、日本中で影響を受けた創作太鼓チームが誕生し、小口氏と御諏訪太鼓はその多くを指導し育てました。また1964年東京オリンピック、1998年長野オリンピックなどでの演奏により、和太鼓の存在を世界に伝えました。

9. 髙野右吉と秩父社中(たかのうきちとちちぶしゃちゅう)

埼玉県
9. 髙野右吉と秩父社中
演奏曲: 秩父屋台囃子

 毎年12月初旬に行われる埼玉県・秩父神社の冬季例大祭「秩父夜祭」では、依代(よりしろ)としての屋台・笠鉾計6基の山車全てが12月3日の夜に秩父の町中を巡回します。釘を全く使わずに作られた絢爛豪華な約20トンの山車が曳航される際に、300人余りの曳き子たちを力づけ、せき立てるお囃子が秩父屋台囃子です。力強さとリズミカルなタッチで大波小波の打ち寄せる様を表現します。
 本来、二尺の長胴太鼓1つと数個の締め太鼓、鉦と笛とで演奏されますが、今回は長胴太鼓を増やしたアレンジで、山車が巡行の休憩地である御旅所(おたびじょ)に集まる賑やかな様子を演奏します。
 また演奏途中で、締め太鼓のみによる巧みで小刻みな叩き方の「玉入れ」が打たれますが、これは街角を回って方向転換する際の打法で、巨大な山車が真珠の玉の上に乗りコロコロ転がる様を表しています。

10. 御陣乗太鼓保存会(ごじんじょだいこほぞんかい)

石川県
10. 御陣乗太鼓保存会
演奏曲: 御陣乗太鼓(ごじんじょだいこ)

 天正4(1576)年、越後の上杉謙信は難攻不落とされた能登の七尾城攻略に成功し、その余勢をかって奥能登の平定を進め、翌年に上杉軍は名舟村(現在の石川県輪島市名舟町)へ押し寄せました。武器らしいものを持たない村人たちは古老の指図に従い、樹の皮の仮面を作り海藻を頭髪とした扮装で、陣太鼓を打ち鳴らしながら寝静まる上杉勢に夜襲をかけました。大音響を伴った怪物の突然の襲来に上杉勢は驚愕し、戦わずして退散したと伝えられ、これが御陣乗太鼓の起源とされています。
 始めはゆっくりと、次いでやや早く、最後は最も早く打ち切るという序・破・急の三段で打ち、これを何回も繰り返します。その間、打ち手は自由な形で見得を切り、面に応じた身振り、身のこなしなど個性的な芸を入れます。
 御陣乗太鼓は石川県と輪島市の無形文化財に指定されています。

11. 豊の国ゆふいん源流太鼓(とよのくにゆふいんげんりゅうたいこ)

大分県
11. 豊の国ゆふいん源流太鼓
演奏曲: 由布おろし
荒城の月
天地源流

 長谷川義氏を中心に1979年に発足した豊の国ゆふいん源流太鼓は、派手なパフォーマンスは一切なく、ただひたすら打ち抜くスタイルを結成以来、守り続けています。その根本は、由布の町を見下ろす峠の空き地での、星を見ながらの毎夜毎夜の練習にあり、それは現在まで続けられています。
 そこから生み出された打法とリズムは現在の創作太鼓メインストリームの「源流」となっていて、日本の和太鼓チームの憧れであり目標でもあり、ノンプロ創作太鼓チームの頂点と言えます。代表の長谷川氏による大太鼓はプロの太鼓打ちが一目置くと言われ、氏は2021年度日本太鼓シニアコンクールで優勝し、名人位、内閣総理大臣杯を獲得しました。メンバー8人はそれぞれ本業や学業を持ちつつ鍛錬を重ね、国内外を問わず和太鼓の浸透と発展に努めています。
 「天に碧空、地に源流」。
 豊の国ゆふいん源流太鼓は大分県由布市の無形文化財に指定されています。

公益財団法人日本太鼓財団概要

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2022年度の事業活動

第7回大学太鼓フェスティバル

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第24回日本太鼓全国障害者大会

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第6回浅草太鼓祭

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美ら島おきなわ文化祭2022「太鼓の祭典」

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第19回日本太鼓シニアコンクール

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第25回日本太鼓ジュニアコンクール

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